「どこまで踏み込んで取材をさせてくるか?」コンテンツ企画屋として戦略的な企画提案は出来ても、肝心の当事者に受け入れる姿勢がないとその企画は具現化しないことがあります。以前、私が手がけた和菓子製造会社ではその生産ラインに「企業秘密だから」という理由でカメラを入れさせてもらうことは出来なかったことがありました。また、様々な人物インタビューの取材日程も調整がつかずに棚上げになってしまうこともありました。
当然ですが、ヒアリングを重ねて反応を得るために最適なコンテンツの企画を私たちがご提案する際に、同じベクトルを向いてコンテンツを作り上げいく姿勢が当事者にあると制作はスムーズに進行します。また、ホームページ制作を会社の営業戦略的なアイテムであるとの理解があれば、企画策定もより深いものになります。単なる営業ツールやであるとか広告物であるという認識レベルで取り組む会社との差は歴然です。
(有)内山味噌店さんは、そのような意味でホームページを戦略的活用を前提にした認識で捉え、コンテンツ企画の策定にあたっても全面的な協力のもとに進めていくことが出来ました。その象徴的な出来事は、135年続く「古式醸造味噌」という古来の製法にこだわり味噌作りを続ける同社の生の姿を描くために不可欠な、味噌蔵の内部での取材の実施でした。独自の製法をネット上で描くことは、当然同業他社の目も光るでしょう。ですが、味噌作りへの自信、プライドと築き上げてきた品質からその企画実践に当たっては何の躊躇も感じられませんでした。
「自信を持って公開するからこそ、何倍にもなって反応は返ってくる」という私の方針をよく理解していただき、取材にも協力を頂きました。
同社の製品はいわゆる安物ではありません。 丁寧な製法を経て時間をかけて作る「古式醸造味噌」ですから、単価に跳ね返ります。ですが、それでも「良いものを」と求められるお客様に応えられるだけの情報公開をすることで、お金を出す側は納得するのです。「高いだけの理由がある」ということへの十分な説明となるコンテンツ企画。それによりニーズがあったお客様に支持を得ることが出来るのでしょう。
また同社では、味噌から展開した新商品「みそプリン」が人気です。「みそプリン」という言葉から受ける先入観をいかに払拭し、濃厚な高級感あふれるプリンであることを伝えるかが課題でした。そのための企画として3年間に渡る開発の舞台裏についての取材を実施しました。話をお聞きすると、決して奇抜な製品を開発したかったのではなく、本業の延長線上にカフェのオープンがあり、そのアイテムとしての「みそプリン」があったとのことです。前例のない商品だからこそ、様々な試行錯誤や失敗がありましたが、それも先駆者ならではのドラマとしてそのままコンテンツに取り入れることにしました。
また、味噌と「みそプリン」を扱っている会社として、ホームページの企画を短絡的に「通販サイト」にしなかったことも成功の大きな要因です。特に、同社の味噌については価格で勝負する商品ではありませんから、コアなファンをカッチリつかむためのコンテンツが必要です。そうした意味で、工場探訪の企画、効率の悪い「古式醸造味噌」にあえて取り組む社長の想いと理念を丹念に描いたことは効果的なコンテンツとして機能しています。